父さんの膝は4DXシアターシート!さらなる臨場感を!ライブがテーマの絵本 3冊

はじめに

私は育児の過程で絵本の読み聞かせが趣味となり、今や、その蔵書が1000冊をこえるまでに夢中になっています。読み聞かせの魅力のひとつに読み手、聞き手の双方が体験する「臨場感」があります。「ライブ感」といってもいいでしょう。読み手、聞き手とで呼吸をあわせながら生の声でお話をするという宝物の時間です。

また読み聞かせは絵を見る視覚、耳で聞く聴覚が中心となりますが、目の前でページをめくったり、お話内容にあわせて本を近づけたり、遠ざけたり、振動させたりと三次元の視覚で楽しむことができ、聴覚についても機械越しにはキャンセリングされてしまうノイズや非可聴音含めて体で感じることができます。

そして「だるまちゃんとてんぐちゃん」で天狗ちゃんの鼻にトンボがとまるシーンでは子どもの鼻にふれ、「とべ!ちいさいプロペラき」でプロペラ機が飛び立つシーンでは父さんの膝がゴゴゴと一緒に揺れます。

もはや膝にすわっての読み聞かせは全身でお話を楽しむ4DXシアタシートといってよいでしょう。そんな臨場感あふれる読み聞かせですが、今回はさらに、絵本の内容も含めて臨場感を追求し、ライブがテーマの絵本を3冊ご紹介します。

絵本紹介

おばけのコンサート

たむらしげるさんの作品で、こどものとも年少版出身の絵本です。こどものおばけがハーモニカをふいていると、様々な楽器を持ったおばけたちが家にどんどんやってきてライブが過熱していきます。

「ブラボー!」と森の動物たちや他のお化けなどの観客達も一緒に踊りだします。まるでインド映画のワンシーンのようです。

色鉛筆で描かれているそうですが青、緑、黄色などの透明感のある色彩がすばらしいです。また楽器の擬音なども独特で楽しい作品で2歳頃から楽しめますので出産祝いにもおすすめです。

おばけのコンサート (幼児絵本シリーズ)

おばけのコンサート (幼児絵本シリーズ)

 

 

もりのピアノ

14ひきのシリーズでしられた、いわむらかずおさんの作品です。女の子が森の中で切り株のピアノを弾き始めると、ネズミは葉っぱのチェロを、タヌキがパーカッションをと様々な動物がくわわり…というお話です。この作品はライブというよりコンサートですね。とてもかわいらしい作品で、お話もシンプルに構成されており2歳ぐらいから楽しめます。

 

私はクラシック楽器に関する絵本を探しているのですが、あまりよいものが見つけられてらず、貴重な1冊です。楽器の中でも特にチェロが好きで、チェロが出てくる絵本を探しているのですが「セロひきのゴーシュ」や、いせひでこさんのいくつかの作品があるものの、いずれも対象年齢が高めで、息子にはまだ難しい内容です。そしてチェロよりも演奏者が多いであろうピアノやヴァイオリンがでてくる絵本もたくさんあるわけではなく不思議に思っています。

もりのピアノ

もりのピアノ

 

 

きょうはマラカスのひ

不思議なキャラクターの友達3人組が、おうちに集まってマラカスの演奏会をするというお話です。マラカスの音を声で表現するところでは「チャッ チャッ チャチャッ」と子供と一緒に盛り上がります。

そして

  • 友達が家にあつまってマラカスの演奏会をするという企画
  • なぜか登場人物みんなタイツ(含む全身タイツ)を着用
  • 登場人物はすべて動物なのか人間なのか、わからない
とツッコミどころが満載です。
かわいい絵とやわらかな色彩、そして温かみのあるストーリーとホッと安心感が得られるような読後感の作品です。様々な絵本を読んできましたが他のどれとも似ていないオンリーワンの作品で、独特な世界なのに共感できるという不思議な作品です。大き目の絵本サイズもお気に入りです。4歳くらいから楽しめます。いわゆるロングセラー・定番作品ではなくプレゼントとしてもおすすめです。
きょうはマラカスのひ (日本傑作絵本シリーズ)

きょうはマラカスのひ (日本傑作絵本シリーズ)

  • 作者:樋勝 朋巳
  • 発売日: 2013/04/15
  • メディア: 単行本
 

おわりに

今回はライブ・コンサートをテーマとした絵本を3冊、ご紹介しました。膝の上で子どもに読み聞かせができるのは限られた時間です。お互いに体温を感じながら、その貴重な宝物の時間を楽しみたいと思います。

また、いままでは我が家も子どもと一緒にカジュアルなファミリーコンサートや、カフェなどで開催される演奏家の自主公演などを気軽に楽しんでおりましたが、このご時世、そのような機会もめっきり減ってしまいとても残念に感じています。いつかまた、気軽に生の音楽を楽しめる日が来ることを願っております。

関連記事

「おばけのコンサート」はこどものとも出身の絵本です。

 

「おばけのコンサート」の作者たむらしげるさんはガロに漫画を掲載しておりました。

 

絵本で知った日本語というテーマの記事で「きょうはマラカスのひ」を取り上げています。

ドングリでアマビエを作る!

はじめに

以前、子どもと楽しめる季節の遊びとして「ペイントどんぐりの作り方」をご紹介しました。その記事ではドングリ採集から乾燥までは今年、実際に行った内容をお伝えし、その後の工程は実践なしで文章中心でお伝えしました。

そして、ようやく今年、採集したドングリにペイントをしました。作ったのは疫病退散ということで「アマビエ」です。今年のドングリで色付け、ニス塗りまで実践した内容を写真付きでご紹介します。

ドングリ選別

まずは拾ってきた中から目的にそった形状のものを選びます。

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今年のドングリ

今回はアマビエという3頭身の妖怪の絵をドングリの形状として落とし込んでいくことから、クヌギの中でも縦長かつ大きめのものを選びました。また置いて飾ることを考慮し自立しやすいかどうかをチェックしました。そして数あるドングリの中から5個を選びました。選ばれし者たちを以下の写真にてご紹介します。

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選抜メンバー

下地処理

下地処理はポスカで行いますが中字や細字での作業は時間がかかりますので太字角芯を使って行います。今回はアマビエの下地として利用できそうな色として

の3パターンの下地処理をすることにしました。

 「薄橙色」とは従来「肌色」と言われていた色です。ポスカを発売している三菱鉛筆によると "人の肌の色へ固定観念を与える可能性があると指摘されていたことから” 名称変更を決定したとありました。またペールオレンジという言い方もあるそうです。

さらに肌色 - Wikipediaを調べてみると江戸時代以前にさかのぼって宍色(ししいろ)と呼ばれていたそうです。宍とは大和言葉で獣の肉のことを指します。そして「生類憐れみの令」などにより肉食を禁じられた人々が宍色に代わる呼び名として肌色という表現を使ったという話があるそうです。そういう意味では自分がなじみのある肌色という言葉ですら社会背景にあわせて生み出されたものだったということです。

ただ「肌色」の筆記用具がなくなったわけではありません。世界のさまざまな肌の色を集めたという12色の色鉛筆セットがイタリアのメーカーから発売されております。

本題に戻ります。今回、下地とした使ったような薄い色の場合、一度塗っただけではドングリの地の色が見えてしまうため、出来栄えを考えて重ね塗りが必要となります。ただしデザインによってはドングリの地の色を味として使うのもありだと思います。

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一度塗りしただけ

塗ったところが乾くのを待ってから次の重ね塗りを繰り返すため、この工程は何か別のことをしながら、のんびり進めます。ただし手が汚れているため、できることは限られており、私は雑誌を読みながら進めました。下地処理が終わると以下の写真のように元のドングリの色はわからなくなります。この時点で若干かわいさが増しています。

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下地処理をしたもの

色付け

下地処理の後の色付けもポスカを使いますが中字丸芯を中心に使い、細かい黒線だけ細字丸芯を使いました。一つの色を塗ったら、乾くまで待つことが重要です。乾かないうちに次の色を塗ると色が混ざったり、ペン先も汚れます。

 

白地は「肥後国海中の怪(アマビエの図)」(京都大学附属図書館所蔵)を参考に色付けをしてみました。黒ペンで書いていくだけなので比較的、簡単にできました。

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白色ベース

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肥後国海中の怪(アマビエの図)」(京都大学附属図書館所蔵)※画像サイズ変更あり:1706x1351→318x252

薄橙色地はマーメイド風に色付けをしてみました。胴体のウロコ部分でキラキラ感が出せないものかと考えましたが、私の技術力不足から黒ペンでウロコ柄の線を引いて終わりとしてしまいました。

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薄橙色ベース

 黄色地は水色の髪色を塗っている途中で「何かちがう」と感じたため、水色で下地処理をし直して中トトロにしました。

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黄色→水色ベース

ニス塗

ポスカがしっかり乾いたことを確認してからニスを塗ります。ニスの塗り方次第ではドングリが台に貼りついてしまうことがあります。過去にも貼りつき防止としてクッキングシートを置いてみたりしてみたのですが、あまり効果がなく、結局、色塗りのときに作業場所としたコピー用紙の上でニス塗りをしています。

またドングリの根本(木にぶら下がっていた側)にニスを塗る必要があるかについては、私は塗っていません。仕上がりとしては以下の写真のようになりました。

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ニス塗り後

ニスに使った筆はそのままにすると固まりますので、使用後はしっかり洗ってください。筆は以下の商品を使いました。獣毛の筆で水性系のニスを塗ると筆が固まりやすいということなのでナイロン筆を選びました。

ニスは以下の商品を使いました。ほかの商品との比較の上ではありませんが特に不都合なく使えています。

和信ペイント 水溶性つやだしニス 300ml
 

おわりに 

今年、採集したドングリでのペイント作業をご紹介しました。ちなみにドングリの中でもマテバシイは食べられるそうです。栗のような味でおいしいとのこと。近所ではまだ見つけられておりませんが、公園や道路の街路樹としてよく植えられており、珍しいものではないそうです。いつか食べてみたいものです。
 
またドングリの区別の仕方としてわかりやすい資料「どんぐり検索表」(日本自然保護協会)がありましたのでご興味がありましたらリンク先にてご覧ください。
 
関東では11月初旬までがドングリ拾いのシーズンだそうです。ドングリは拾うだけでも意外と楽しいです。週末は、どんぐり拾いに行ってみてはいかがでしょうか。

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ペイントどんぐりの全体工程をご紹介しています。

熱い男 エリック•カールの絵本 2冊

はじめに

私は育児の過程で絵本の読み聞かせが趣味となり、今や、その蔵書が1000冊をこえるまでに夢中になっています。
今回は貼り絵を使ったカラフルで楽しい絵本の作家として知られるエリック・カールの作品をご紹介します。
エリック・カールの作品は代表作「はらぺこあおむし」を筆頭に絵本にとどまらずアパレル、おもちゃ、雑貨などの関連グッズとしても人気があります。そのようなこともあり当初、私はデザイン重視の作家と思っていました。
 
しかし私が間違っていました。エリック・カール、熱い男です!
 
というわけで今回はエリック・カールの作家としてのメッセージが熱く伝わってくる2作品をご紹介します。
 

主人公は「絵描き」

まずは、ご紹介する2作品の共通点からご説明します。

エリック・カールの絵本というと動物、昆虫、鳥、魚といった生き物が主人公の絵本をイメージすることが多いと思います。しかし今回ご紹介する2作品の主人公はどちらも「絵描き」です。つまり両作品ともエリック・カールの自画像としての絵本作品といえます。

自画像というと西洋美術の重要なジャンルの一つであり、有名な画家や巨匠たちも多くの自画像を残しています。つまり商業アーティストではなく「芸術家」として王道のテーマで勝負した2作品と考えています。また自画像とは自分とは何者かを表現するものですから数ある作品の中でも強い主張・メッセージ性を持たせた作品であると考えらえれます。

絵本紹介

おほしさまかいて!

絵描きが星を描くところから始まり、太陽、植物、人間、動物と生み出していき、世界を作り出し、自ら作り出した世界を残しながら最後に絵描きが死を迎えるという内容です。

本作は絵本を芸術作品として美術の文脈に乗せた作品であると私は考えます。村上隆著「芸術闘争論」によると現代美術の評価視点として「コンテキスト」(文脈)と「圧力」が重要であると説明されています。そしてコンテキストとしては

  • 自画像
  • エロス
  • フォーマリズム(歴史を意識すること)
  • 時事

という5つから複数をシャッフルして作品の文脈として組み込むことが好まれるとあります。本作品は「自画像」「エロス」「死」という文脈を含んで構成されています。まずは主人公が絵描きであることからこの作品は「自画像」であることが示されます。

次に「エロス」です。本作では絵描きが生み出したアダムとイブのような全裸の成人の男女が描かれており、この表現は「愛」や「生」としてのエロスといえなくもないでしょう。

最後の「死」について主人公の絵描きが世界を創造し、死後もその世界(作品)が残ると描かれています。これは主人公は消費される商業アーティストではなく「芸術家」であるというメッセージと考えました。

以上のとおり美術の王道コンテキストに乗せて「カラフルで楽しい絵本の作家」であるエリック・カールが絵本を作ったわけで、作品としての「圧力」も強く感じます。芸術作品としての絵本そして芸術家としてのエリック・カールを感じることができる作品であると私は考えます。
おほしさま かいて!

おほしさま かいて!

 
芸術闘争論 (幻冬舎文庫)

芸術闘争論 (幻冬舎文庫)

  • 作者:村上 隆
  • 発売日: 2018/12/06
  • メディア: 文庫
 

 

えをかくかくかく

主人公の絵描きが「青い馬」「赤いワニ」「黄色い牛」と次から次へと不思議な色でさまざまな動物を描いていくという内容です。

 

この絵本は最後に「この絵本のはじまり」と題された解説があります。それによるとドイツ在住時代の美術の先生が絵を描くことが大好きなカール少年に、こっそり〈堕落した美術〉の複製画を見せてくれたそうです。それは政権をコントロールしていたナチスが〈退廃芸術家〉とよんだ画家たちの作品でした。そこには「青い馬」や「黄色い牛」といった鮮やかな動物たちが絵が描かれている作品があったということです。先生が逮捕されるようなリスクを負いながらカール少年に示してくれた「自由な美術」に対する思いが本作品では描かれています。

 

絵本の内容に戻りましょう。カラフルな不思議な色の動物が次から次へと登場し、そして最後に再び絵描きが登場し「自由な美術」に対する思いを絵本の中で宣言し、この絵本は終わります。

えを かく かく かく

えを かく かく かく

 

おわりに 

エリック・カール作品の魅力をお伝えできたでしょうか。最後に偕成社のホームページに掲載されているエリック・カールのQ&Aコーナー「おしえて!カールさん」の質問「カールさんはアーティストですか?」への回答を引用させていただき本記事を終わりにさせていただきます。

”私は絵本作家だから、商業アーティストと芸術家の中間のどこかにいると思う。私には、本という製品があって、読者というお客さんがいる。同時に、純粋な芸術家のように、自分のすきなときに、すきなように本を作ることができる。ところで、純粋な芸術家だからといって、作品がすぐれているとはかぎらない。私は、下手な芸術家の作品よりも、すぐれた商業アーティストの作品を選ぶよ。”

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「ホットケーキできあがり!」を紹介しています。 

ぐぐーーっと ためてから解き放つ 絵本3冊

はじめに

私は育児の過程で絵本の読み聞かせが趣味となり、今や、その蔵書が1000冊をこえるまでに夢中になっています。様々な絵本に触れながら、絵本を読み聞かせしているなかで子どもの喜ぶ話に一定のパターンがあるのではないかと考えるようになりました。

それは「ぐぐーっとためてから解き放つ」話です。デコピンをするかのように、ためてためてーーっドーンとたまった力を解き放つようなストーリーで息子は歓声をあげて喜びます。一方、読み聞かせの手引きなど読むと「子どもがお話そのものに集中できるように過度な抑揚は避けましょう」といったことが書かれていたりします。しかし、この構造を含むお話は子どもの歓声を期待してしまい、ついつい読み聞かせる側も力が入ってしまいます。

今回はそんな親子ともに盛りあがる絵本を3冊ご紹介します。

絵本紹介

りんごがドスーン

この本はSF的なオープニングから始まります。

"おおきな、おおきなリンゴが〜(ページをゆっくりめくってじらしながら)〜(最後、ページを早くめくって)ドスーン"と大きなリンゴが落ちるてくるとこらから物語ははじまります。

通常「タメ」はクライマックスに配置されることが多いですが、この絵本は物語の最初にタメがくる珍しいパターンです。

息子も大変おきにいりで「もっかい」(もう一回読んでほしい)が繰り返された絵本です。ただ夢中になりすぎて風呂に入るときなど服を脱いだ後などに「ぼくのパンツが~ドスーン!」とドスーン遊びが続いてしまったりします。かわいくて楽しい絵本です。2歳ごろから楽しめますし、誕生祝にもおすすめです。

りんごがドスーン (ジョイフルえほん傑作集 16)

りんごがドスーン (ジョイフルえほん傑作集 16)

 

 

だいくとおにろく

鬼の名前を言い当てられれば、目玉をとられずに済むというお話で、物語の終盤に「おまえのなまえはXだ」「ちがう」という鬼の名前クイズを繰り返していくところが「タメ」です。「うんにゃ、ちがう」という鬼のニヤニヤした憎たらしいけど愛嬌のある表情がたまりません。登場人物の表情とスリリングな展開に子どもも絵本に入り込み、とても50年以上前に発行された大ロングセラーとは思えません。

読み手はタメつつ憎たらしい顔芸をしながら「ちがう、ちがう」と繰り返し、じらしてじらしてーーーー「ドーン」でお話はおしまいです。

またこのお話は「日本民話」として絵本化されておりましたが、その後の研究で純国産の話ではなく北欧神話を輸入した話だったという絵本好きには知られたおもしろい話があります。今回は割愛しますが以下に参考となるURLを掲載します。

だいくとおにろく

だいくとおにろく

  • 作者:松居 直
  • 発売日: 1967/02/15
  • メディア: 単行本
 

 

おおきなかえる ティダリク

最後はオーストラリアの先住民に伝わる話です。こどものともからハードカバー化された作品です。

ムスッとしたカエルが表紙のためか当初、息子も「こわい、よまない」と拒否をしていました。しかし成長とともに読めるようになったら大ウケでした。

内容は大ガエルが平原の水を飲み干してしまって、ほかの動物が困って、あの手この手でカエルを笑わせて噴き出せて水を取り戻すというお話です。最終的には、とある動物のとある行動でカエルはついに笑ってしまい、水を噴き出すわけですが、そこをじーっくり、ためて、ためて読んでーーーーーーっ「ブシュー!!!」のところで子供も大爆笑です。このころはためすぎて、ページめくる前に子どもが先に噴き出してしまうなんてこともあるくらいです。

オーストラリアの昔話ということでカンガルー、コアラ、エミューエリマキトカゲウォンバットなどご当地の動物が登場するあたりもおすすめです。それらのかわいい動物達が表情豊かにカエルを笑わせようとするのですから、読む側もほほえましく楽しめる作品です。4歳ごろから楽しめると思います。

残念ながら現在は書店では入手できないようで復刊するとよいなと思う作品の一つです。そのためペーパーバック版の中古本が比較的入手しやすいです。

 おわりに

子どもが好むお話のパターンの一つとして「ぐぐーっとためてから解き放つ」という形式があるのではないかというという仮説と関連するおすすめ絵本を紹介しました。よく考えれば「サウナ後の水風呂」、「プログレの長い前奏の後のサビ」、「つらいプロジェクトの後の打ち上げ」などのように大人(例えが中年男性向けばかりですが)も大好きなパターンなのかもしれません。

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ガロでデビューした絵本作家3名・3冊

はじめに

私は育児の過程で絵本の読み聞かせが趣味となり、今や、その蔵書が1000冊をこえるまでに夢中になっています。

今日は大発見です。はずれがない絵本の共通点に気が付いてしまいました。それは「ガロでデビューした絵本作家の絵本は、はずれがない!」です。

ガロとは漫画雑誌です。私は読んだことがありませんが「実験的、前衛的な漫画雑誌」という説明が一般的なようです。

ともかく私が好きな絵本作品の作家のことを調べていたら続けざまに「ガロでデビュー」と書いてあるのです。ただ残念ながら語れるほどガロのことを知らないため「ガロ」と「よい絵本」との関連性について論ずるのは次の課題とし、今回は作家とその作品を紹介します。

絵本紹介

おちゃのじかん(土橋とし子さん)

土橋とし子さんの作品です。土橋とし子 - Wikipediaによると「つちはしとしこ名義で、ガロで漫画家としてデビューし」とあります。絵柄は「ナニワ金融道」の青木雄二さんのようで個性的です。

親戚があつまって世界中のお茶とまつわる文化(作法や道具)を紹介していくという内容です。土橋とし子さんのほかの絵本作品と同様に登場人物は関西弁です。

お茶のうんちく絵本というよりはお茶を題材に親戚家族の楽しいひと時間が描かれていて、読むと笑えながら気持ちがなごむ素敵な絵本です。対象年齢は幅ひろく4歳から小学校低学年くらいまで楽しめると思います。

おちゃのじかん

おちゃのじかん

 

 

 くものすおやぶんとりものちょう(秋山あゆ子さん)

秋山あゆ子さんの作品です。秋山亜由子 - Wikipediaによると「『月間漫画ガロ』 (青林堂)にて『一人娘』でデビュー」とあります。

この絵本は「こどものとも」からハードカバー化された作品です。虫のキャラクターが時代劇を繰り広げるお話です。

「ふてえやろうだぜい」「がってん しょうち」「これでいっけんらくちゃくだ」といった時代劇調のセリフが読んでいて気持ちがいいです。

ストーリー性も抜群でお話の終わりとともに、私の頭の中ではテーマ曲(インスト)が流れてスタッフロールが流れてという時代劇ドラマの終わり方が浮かびます。また絵の中で登場人物を探すなどの遊びの要素もあり「わいわい」楽しみながら読むこともできます。3歳くらいから楽しめます。傑作です。

 

へろへろおじさん(佐々木マキさん)

佐々木マキさんの作品です。佐々木マキ - Wikipediaによると「『ガロ』掲載の「よくあるはなし」で漫画家としてデビュー」とあります。やっぱり「ガロ」なんです。佐々木マキさんの作品はたくさんありますが、今回は「へろへろおじさん」を紹介します。

この作品も「こどものとも」出身でハードカバー化された作品です。内容は、おじさんが様々なトラブルに巻き込まれる悲劇です。大人ならありますよね「いやになっちゃう一日」そして、なぜか、そういうタイミングで「天使」が現れてギリギリのところで「まぁ、明日も頑張るか」と持ちこたえるときが。

その天使は「こどものおなら」だったり、同僚のメールの誤記「おつこれさまです」だったりします。そんなお話です。この「天使」という表現は中島らもの「その日の天使」から拝借しています。ご興味がありましたら「その日の天使」もご一読ください。こちらは絵本ではなくエッセイです。

へろへろおじさん (こどものとも絵本)

へろへろおじさん (こどものとも絵本)

 
中島らも その日の天使 (人生のエッセイ)

中島らも その日の天使 (人生のエッセイ)

 

おわりに

ガロでデビューした絵本作家3名による3冊の絵本を紹介しました。そのほかでは、たむらしげるさんも「ガロ」に漫画を掲載していたそうです(ただしデビューではない)。ここで改めて「ガロ」執筆陣のお名前を見てみると漫画だけでなく多彩な分野でご活躍されている方のお名前が並んでいます。そのあたりによい絵本との関連性のヒントがあるのかもしれません。よい分析がございましたら情報いただけると嬉しいです。

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DJ父さんのおやすみ絵本3冊(贈り物にも)

はじめに

私が平日、絵本の読み聞かせをするのは子どもの就寝時が中心です。そして子どもにとっても寝る前の絵本タイムはすっかり習慣となり風呂上りには「絵本読んで~」となっています。

そこで私もレコードを選ぶDJ気分で、その日の気分の絵本を10冊程度ピックアップして読み聞かせをします。3冊ほどで寝ることもありますし、全部読み切ってしまい追加することもあります。一方、私がうつらうつらとなってしまい「お父さん、寝てた?」なんてパターンもあります。

最近の息子は眠気が高まってくると「声だけでいい」と言って寝っ転がって寝る体制になって絵をみず、お話を聞くだけのこともあり、そんなときはDJはDJでもラジオDJであり、さしずめ私は子どもにとっての深夜の馬鹿力だったり爆笑問題カーボーイといったところかな、なんて考えています。「さて、今日はスペシャルウィークエリック・カールづくしでお届けします」といった感じでしょうか。

さて今回は、そんな眠るまでのひと時を楽しむための「おやすみ絵本」をご紹介します。眠りをテーマにした絵本は世界中で描かれていますが、今回は国内作家による作品3冊をご紹介します。

絵本紹介

あくび

「はじめにかばがあくびをしたよ」から始まる本作は、あくびが次から次へとうつっていき、最後は「ぼく」にあくびがうつって~ねむねむ~おやすみなさいというお話です。大自然に暮らす「かば」から、どこからどのようにつながって「ぼく」まであくびが伝染していくのか…それは絵本の中でお楽しみください。

キングクリムゾンのアルバムのような表紙からもわかるようにインパクトのあるかわいらしい絵です。この絵本は我が家では出産祝いでいただいた本の一つで、その後、絵本好きとなった私ですが、今だにこの本が絵本ガイドなどで紹介されているのを見つけられず、当時、この絵本を贈っていただいた方は素晴らしい感性の持ち主だったのだなと感じています。2才くらいから楽しめます。

あくび

あくび

 

 

シルクハットぞくはよなかのいちじにやってくる

ホラーっぽいタイトルですが、そんなことはありません。シルクハットをかぶった紳士軍団が夜中の1時にやってきて…って何をするかは絵本でお楽しみください。絵もかわいく、ストーリーもあたたかみがあり、大好きな1冊です。3,4歳くらいがおすすめでしょうか。この絵本もプレゼントとしておすすめです。

 

 しきぶとんさんかけぶとんさんまくらさん

真打ち登場です。「こどものとも 年少版」が単行本化された作品です。子どもの食いつきがすごく連続10回以上読みました。日本語表現が独特でリズミカルで歌詞のようでもあります。色合いも独特で、ここにこの色で、そこにこの色で、こう組み合わせるか!という感動があります。
寝るときは大人でも不安感があることがありますが、この絵本は大きな安心感を与えてくれます。実際の読み聞かせは2歳ごろからかと思いますが、出産祝いにもおすすめです。

おわりに

たくさんある 「おやすみ絵本」のうち今回は国内作家の作品をご紹介しました。どれもあたたかい作品です。また今回ご紹介した3冊は親の代から読み継がれてきたというようなロングセラー作品というわけはありませんので、プレゼントしても「かぶる」「すでにもっている」という可能性は低くなるのではと考えており、贈り物としてもおすすめです。

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ペイントどんぐりのススメ

1.はじめに

今年もどんぐりの季節となりました。子どもはどんぐりが大好きです。今回はどんぐりに絵を描いて、子どもが好きなキャラクターを作る遊びを紹介します。
我が家も今年はどんぐりを採集したばかりで絶賛、乾燥中ですが、 季節ものの話題ということもあり、いち早くお伝えしたいため、乾燥より後の手順は文章中心で説明させていただきます。
また本文中の仕上がりイメージは昨年に作ったものを今回、改めて写真に撮っています。飾っているだけなら少なくとも1年は持つようです。

2.手順

2.1 採集

近所にどんぐりを拾いに行きます。私は関東圏在住ですが「クヌギ」(丸い)と「コナラ」(長細い)が手に入りやすいです。秋とはいえ、まだ蚊が多い時期ですので虫よけをすることをおすすめします。

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丸いのがクヌギ、細長いのがコナラ
割れているものや穴が開いているものは避けましょう。そしてできるだけ傷の少ないどんぐりを拾いましょう。また好みの範疇ですが歪んでいない形のほうが、かわいいものに仕上がります。
 
ちなみに採集は子ども一緒にできますし、実は、この時点でかなり楽しいです。狩猟採集時代の記憶がそうさせるのかもしれません。
 
また秋のうちにどんぐりの木を探しておくとよいことがあります。それは夏のカブトムシ・クワガタ採集です。夏になって、さあカブトムシ・クワガタを捕まえよう!となったときに樹皮や葉の形状だけで、どんぐりの木と判別するのには慣れが必要ですので、秋の経験が翌年の夏に生きてきます。

2.2 洗浄

水洗いをしてゴミと土を落とします。このとき水に浮いたどんぐりも処分します。水に浮くものは虫喰いしているそうです。またこの時に割れや穴があるものをみつけた場合も処分します。

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洗浄

2.3 分類

大きさによって煮沸時間が異なるため、大きいどんぐりと小さいどんぐりを分類します。

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分類

2.4 煮沸(虫除け)

ドングリは放置すると虫が発生しますので茹でます。小さめのどんぐりについては4分程度、茹でます。大き目のどんぐりは10分程度、茹でます。湯で時間が短いと殺虫をしきれません。一方、長くゆでると皮が割れてしまいます。また、ゆでた直後のどんぐりはかなり熱をもっております。取り扱いにはご注意ください。
茹でると若干のにおいが発生します。気になる方は専用の鍋を使ってもよいと思います。私も家族からのクレームを考慮し、古くなって使わなくなった登山用の鍋を使っています。
また虫除けには冷凍という手段もあるそうですが、我が家では実績がありませんのでご紹介しません。鍋を使いたくない方はお調べください。

2.5 乾燥

茹であがったどんぐりは水をきり、ぼろ布などで拭いたのち、2~3日、日陰の風通しのよい場所で干します。しっかり水を拭かないで放置するとかびが発生したり、直射日光に当てて乾燥させると割れたりすることがあります。

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乾燥

2.6 デザイン(仕上がりイメージ)

ひろってきたどんぐりの大きさや形とともにどんな絵にするかを考えます。私が一年前に作った例を写真であげます。

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トトロ(大中小)、猫バス、パンダコパンダ

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ダルマ

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ジャックオーランタン

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バーバパパはなかっぱ

2.7 ペイント加工

ペイントにはポスカを使います。ポスカの選び方および使い方は次の通りです。

下地は太字角芯

下地に使いたい色は太字角芯があると便利です。下地とはベースとなる色です。大トトロならグレーになりますし、バーバパパであればピンクになります。ペイント加工の初期工程は下地塗りからスタートしますが、これを中字でチマチマやっていられません。またキャラクターの絵を描かなくても下地だけや、下地に簡単な模様をつけてニス加工しただけでもかわいい一品になります。

こだわり派は下地重ね塗り

下地については「白」や「黄色」などの薄めの色の場合は何度か重ね塗り(塗って→乾いて→塗ってを繰り消す)をするとドングリの地の色(茶色)が見えにくくなります。

基本は中字丸芯

ポスカは重ね塗りができます。下地が乾いたら、その上に絵を描いていきます。そのときは中字丸芯が使いやすいです。ポスカは重ね塗りができますので多少のペイントの失敗はやり直せます。思い切ってやってみましょう。

金・銀は高級感がでる

私はダルマ(クヌギ)やクリスマスツリー(コナラ)を作るときに金色や銀色の中字丸芯を使いました。これだけでプレミアムどんぐり感がでます。

細字丸芯or極細は買うなら「黒」

細かい絵を描く場合は細字丸芯or極細です。なくても楽しめますが買うなら「黒」一本でよいです。

三菱鉛筆 水性ペン ポスカ 中字 丸芯 8色 PC5M8C
 

2.7 ニス加工

ペイント加工が終了したら(すべて乾いたら)、ニスを塗ります。ニスを塗らないとペイント(ポスカ)は、すぐ剥がれます。私が利用したのは以下の商品です。しかし、ほかの商品と使い比べたわけではありません。またペイント加工をしないでニスを塗るだけでもきれいなどんぐりになります。

和信ペイント 水溶性つやだしニス 300ml
 

また多くのクヌギは自立するのでニスが塗りやすいのですが、コナラ等細長いどんぐりについては自立しないため、ニスが塗りづらいです。そのため私は以下の発泡スチロールのような台座を用意して、爪楊枝をどんぐりの頭にさしてニスを塗りました。台座について私は世界堂で購入しましたが、なんでもよいと思います。

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台座

一方、ニス加工をした場合、飾っているだけなら大丈夫ですが、子どものおもちゃにすると半年後くらいでしょうか次第に剥がれが発生し細かいゴミがでます。それが気になる場合は上記手順の乾燥までは行ったうえでペイント加工もニス加工もしないでプレーンどんぐりで遊んじゃいましょう。子どもには十分、楽しいおもちゃになります。

3. おわりに

 秋ならではのどんぐり遊びをご紹介しました。デザインについて「こんなのつくってみたよ」というようなアイデアがございましたらご紹介いただけますでしょうか。秋限定の遊びです。週末は、どんぐり拾いに行ってみてはいかがでしょうか。