ドングリでアマビエを作る!
はじめに
以前、子どもと楽しめる季節の遊びとして「ペイントどんぐりの作り方」をご紹介しました。その記事ではドングリ採集から乾燥までは今年、実際に行った内容をお伝えし、その後の工程は実践なしで文章中心でお伝えしました。
そして、ようやく今年、採集したドングリにペイントをしました。作ったのは疫病退散ということで「アマビエ」です。今年のドングリで色付け、ニス塗りまで実践した内容を写真付きでご紹介します。
ドングリ選別
まずは拾ってきた中から目的にそった形状のものを選びます。
今回はアマビエという3頭身の妖怪の絵をドングリの形状として落とし込んでいくことから、クヌギの中でも縦長かつ大きめのものを選びました。また置いて飾ることを考慮し自立しやすいかどうかをチェックしました。そして数あるドングリの中から5個を選びました。選ばれし者たちを以下の写真にてご紹介します。
下地処理
下地処理はポスカで行いますが中字や細字での作業は時間がかかりますので太字角芯を使って行います。今回はアマビエの下地として利用できそうな色として
- 白色
- 薄橙色(うすだいだい)
- 黄色
「薄橙色」とは従来「肌色」と言われていた色です。ポスカを発売している三菱鉛筆によると "人の肌の色へ固定観念を与える可能性があると指摘されていたことから” 名称変更を決定したとありました。またペールオレンジという言い方もあるそうです。
さらに肌色 - Wikipediaを調べてみると江戸時代以前にさかのぼって宍色(ししいろ)と呼ばれていたそうです。宍とは大和言葉で獣の肉のことを指します。そして「生類憐れみの令」などにより肉食を禁じられた人々が宍色に代わる呼び名として肌色という表現を使ったという話があるそうです。そういう意味では自分がなじみのある肌色という言葉ですら社会背景にあわせて生み出されたものだったということです。
ただ「肌色」の筆記用具がなくなったわけではありません。世界のさまざまな肌の色を集めたという12色の色鉛筆セットがイタリアのメーカーから発売されております。
本題に戻ります。今回、下地とした使ったような薄い色の場合、一度塗っただけではドングリの地の色が見えてしまうため、出来栄えを考えて重ね塗りが必要となります。ただしデザインによってはドングリの地の色を味として使うのもありだと思います。
塗ったところが乾くのを待ってから次の重ね塗りを繰り返すため、この工程は何か別のことをしながら、のんびり進めます。ただし手が汚れているため、できることは限られており、私は雑誌を読みながら進めました。下地処理が終わると以下の写真のように元のドングリの色はわからなくなります。この時点で若干かわいさが増しています。
色付け
下地処理の後の色付けもポスカを使いますが中字丸芯を中心に使い、細かい黒線だけ細字丸芯を使いました。一つの色を塗ったら、乾くまで待つことが重要です。乾かないうちに次の色を塗ると色が混ざったり、ペン先も汚れます。
白地は「肥後国海中の怪(アマビエの図)」(京都大学附属図書館所蔵)を参考に色付けをしてみました。黒ペンで書いていくだけなので比較的、簡単にできました。
薄橙色地はマーメイド風に色付けをしてみました。胴体のウロコ部分でキラキラ感が出せないものかと考えましたが、私の技術力不足から黒ペンでウロコ柄の線を引いて終わりとしてしまいました。
黄色地は水色の髪色を塗っている途中で「何かちがう」と感じたため、水色で下地処理をし直して中トトロにしました。
ニス塗
ポスカがしっかり乾いたことを確認してからニスを塗ります。ニスの塗り方次第ではドングリが台に貼りついてしまうことがあります。過去にも貼りつき防止としてクッキングシートを置いてみたりしてみたのですが、あまり効果がなく、結局、色塗りのときに作業場所としたコピー用紙の上でニス塗りをしています。
またドングリの根本(木にぶら下がっていた側)にニスを塗る必要があるかについては、私は塗っていません。仕上がりとしては以下の写真のようになりました。
ニスに使った筆はそのままにすると固まりますので、使用後はしっかり洗ってください。筆は以下の商品を使いました。獣毛の筆で水性系のニスを塗ると筆が固まりやすいということなのでナイロン筆を選びました。
ニスは以下の商品を使いました。ほかの商品との比較の上ではありませんが特に不都合なく使えています。
おわりに
関連記事
ペイントどんぐりの全体工程をご紹介しています。